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MEDICAL

神経内科

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認知症

高齢化がすすみ、「認知症」という言葉は日常的に使われるようになってきました。認知症には様々な定義がありますが、世界保健機構(WHO)では、「記憶、思考、行動および日常生活の活動能力が低下する症候群」と記載されています。歳をとると誰でも記憶が悪くなりますが、それは必ずしも認知症と言えないことも多く、正常の加齢と認知症の境界として、「日常生活に支障があるかないか」という点が重要です。

認知症の原因はひとつではなく、生活習慣、遺伝的要因、内分泌(甲状腺ホルモンなど)、ビタミン不足など様々な要因が積み重なって徐々に進行していく、と言われています。またパーキンソン病やうつ病なども認知症の原因疾患として知られています。

残念ながら現代の医学で「認知症を完全になおす万能薬」は存在しませんが、認知症のお薬や、症状を進行させる内科的疾患(高血圧や糖尿病など)のコントロール、そして、その方の現状にあわせて生活を整えることでストレスを軽減することなどにより、よりよく生活していただけると考えています。

初診時にそういった治療可能な認知症の原因を調べ、可能なものは補正しながら必要に応じて物忘れのお薬を使用します。そして、定期的に物忘れの検査を行いながら症状の進行を把握するとともに、ご家族様ともコミュニケーションをとりながら診療をすすめていきます。

パーキンソン病

パーキンソン病は手足の震え、動作緩慢、筋強剛(手足の関節のうごきが固くなること)、転びやすい、足が出にくい、などの症状が主となる病気で多くは50歳以上で発症します。10万人に100~150人くらいの有病率と言われますが、高齢になるほど増える傾向にあります。

パーキンソン病は脳幹(脳の真ん中)にある黒質という部分の神経細胞が減少し、その神経がはたらくときに使うドパミンという物質が減ることによって体をスムーズに使うことができなくなる病気です。また、運動の障害だけでなく、便秘などの自律神経症状が出現し、動作だけでなく考えるスピードもゆっくりとなるなどの障害も起きてきます。
根治治療は難しいものの、パーキンソン病の症状を改善するためのお薬は様々あり、症状をうまくコントロールすることで、自立した日常生活を送ることができます。

パーキンソン病とよく似た症状を起こす病気はパーキンソン症候群とまとめられます。パーキンソン症候群は多系統萎縮症・進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症などが知られています。また、水頭症といって脳室に水がたまることでパーキンソン病と似た症状を来すこともあり、こちらは脳にたまっている水(髄液)を抜くことで症状が改善する、治療可能な疾患です。
病因によって、その後の進行や対応が変わってきますので、診察を行い、症状や状態に応じて薬剤を調整します。必要な場合には総合病院を紹介し精密検査を行っていただくこともあります。

頭痛

頭痛は大きく一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。非常に強い頭痛(今までに経験したことのない頭痛)や、手足のしびれを伴う頭痛、意識がもうろうとしたり痙攣をともなう頭痛の場合は、緊急に処置を要する重篤な病気がかくれている(二次性頭痛)可能性がありますので、早急に画像検査などが必要で、総合病院を紹介します。

慢性頭痛の多くは一次性頭痛であることが多く、片頭痛、筋緊張型頭痛、群発頭痛の3つに分けられます。
片頭痛は頭の片側に起きることが多く、ずきんずきん、と拍動する頭痛が比較的急に起こります。音や光に敏感になったり、吐き気を伴ったり、視覚障害(視野にきらきらしたものがみえるなど)を伴う方もいます。比較的女性に多い頭痛です。発作頻度が多い場合には予防薬を使用して、頭痛のコントロールを行います。

筋緊張型頭痛は肩こりやめまいを伴うことが多く、頭の両側がしめつけられるような頭痛が起きます。鈍痛であることが多いです。運動や姿勢などの生活習慣の見直しも重要となります。
群発頭痛は目の奥がえぐられるような激しい疼痛や片目の充血、涙、鼻水などを伴うことがあります。男性に多い頭痛です。